シュガーレス
☆2
その日、俺には課せられた任務があった。
正直、すごく気が進まない。
モヤモヤした感情は、そのまま顔に出ていたようで、今日は俺に話しかけてくる奴は少なかった。
「え〜嘘!ねぇ、みっちゃん!何か変だよね?」
「あぁ?!」
無邪気に話しかけてくる美里にも八つ当たり。
坂本には怒りの矛先が自分だって、見透かされた。
その余裕の態度に、俺のイライラは積もってゆく。
いつだってそうだ。
美里とは逆に、坂本は俺を恐れない。
いっそのこと、こんな態度をとる俺を避けてくれたらと思うのに、彼女は動じない。
むしろ、敵意を見せる俺を威嚇してくる。
喧嘩をしたい訳じゃない。
だって、コイツは何も悪くないから。
だから俺はただ、やり場の無い感情を持て余すだけなんだ。
はぁ…カッコ悪。