シュガーレス
「どうって…」


「…だからっ!」


イキナリ大きな声を出した自分に、俺自身も少しびっくりした。


坂本も目を丸くしている。


「好きな奴…とか、いないのかよ?」


「いるよ?」


あまりにも早い答えに、目を見開く。



こいつは…

俺が思い切って聞いた事を、いともアッサリと答えやがって…



「何、びっくり?」


「お?おぉ…」


正直、予想していなかった。


コイツに好きな奴がいるって、


最初からわかってたら、何か変わったのかな。



そんな答えの出ない事を思いながら、味気ないコンビニのパンにかじりついた。







< 59 / 209 >

この作品をシェア

pagetop