シュガーレス
♪2
本鈴も鳴り終わり、
やや遅刻気味に教室に戻ると、
一斉にみんなの注目を浴びた。
それもそのはず、
クラスの人気者と、
ザ・平凡のこの私が、
まるで、一緒に帰って来たように見えたからだ。
…まぁ実際、一緒に帰って来たんだけど。
(なんだかんだしている内に、時間をズラす余裕が無かったのだ。)
こんな時に限って、まだ先生は来てなくて、自由に周りがザワザワと騒ぎ出す。
「え、何で?!」
「偶然じゃなーい?」
「えー、ありえなくない?」
私からしたら、
この状況がありえないわ!
何だこれ、
どんだけ人気だ。
「…やるじゃん」
みっちゃんがにやついてくるのを無視して、教科書を開く。
もちろんその内容なんか、頭に入ってこない。
そんな私とは違って、こんな時でも透は余裕らしく、相変わらず笑顔を崩さない。
*。゚