シュガーレス

♪2


--------放課後。


「美里ー、帰ろう!」


「ごめん、先帰ってて!!
職員室寄ってかなきゃ!」

実は、今日提出〆切の数学課題がまだ出せてないの。


結衣とバイバイして、職員室に向かう。


「失礼しまーす」


ここはいつ来ても、コーヒーの香りがする。


何で大人はあんなにコーヒーが好きなんだろ。


先生は、っと…


あれ…いない。


数学の先生がいない。


提出チェックをつけるから、必ず手渡すように言われてるのに。


「馨ちゃ〜ん!
品川先生いないの?」


副担任の馨ちゃんに助けを求める。


馨ちゃんは教師なりたてだから、若いし話しやすい。

「あー、いないみたいだなぁ〜
どうした?課題か?」


私が頷くと、馨ちゃんは少し考えて、近くの棚の引き出しを開けた。


「ほら。
これ貸すから探して来い」


と、手渡されたのは鍵の束。


「え…」


「どっかには居てるだろ。」


え…
全ての教室を探せと…?


「馨ちゃんの鬼…」


「お前なー、
先生探してちゃんと課題提出すのと、
諦めて点数ひかれるのと、どっちがいい?」


「…探してきまーす。」


馨ちゃん…
あれは彼女出来ないな。


余計な心配をしつつ、まずは職員室から近い図書室に向かう。


鍵は開いていた。


-----ガラ!!


…誰もいない。


次に資料室…


ここは借りた鍵を使った。

-----ガラッ!!!


ここにもいない。


数学の準備室・食堂・視聴覚室・保健室…


どこにもいないんですけど…













*゚。
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