空蝉の光 -桜花乱舞-


部屋には私とお母さんが残っている。



「桜、おいで」



お母さんから上半身だけを布団から起こし、私を手招いた。



私はお母さんの隣に移動した。



すると、お母さんは私の頬に触れた。



「ごめんね、桜。私達のせいで辛い想いばかりさせて…」



お母さんは眉を下げ、哀しそうな顔をしていた。



多分、お母さんは自分達が犯したことが私を苦しめているのだと思っているのだろう。





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