空蝉の光 -桜花乱舞-
「えーと、桜達は…。いたいた」
俺は建物と建物の間の路地に身体を滑り込ませ、その影から二人の様子を見た。
見た感じ、桜はアイツに街案内を頼まれているらしい。
「桜、機嫌悪いな…」
少し距離があるため、会話は聞こえない。
でも、桜は態度はぱっと見た感じではかなり不機嫌だ。
すると、アイツが桜の肩を叩き、何かを口に放り込む。
あの袋はうちの飴玉の袋だ。
ってことは今、口に放り込んだのは飴玉か。