冷たい旦那様


「…私…寂しかった」


「……うん」


「本当は、いつも一緒に居たくて……っうえっ…けど、ヒック…悠人、仕事だし、家のために頑張ってくれてるの…分かってるから、っ言えなかった……」


「……うん」



言葉を紡げば紡ぐほど、後から後から溢れて来る涙。


もう、顔ぐちゃぐちゃだよ……。



「…グスッ…仕事頑張ってる悠人は、大好き……っけどね、たまには、私の相手…っうえっ…して、欲しかったぁ……」


「……っ」


「…は、悠人っ…は、私の事…ヒクッ……す、き?」



これが、一番気になっていた事。


結婚までしてるのに、悠人に“好き”って言われたことは無いんだ。


だから、不安になった。悠人と愛を確かめる手段が、何一つ無かったから…。


前はキスだった。その前はギュウ。


でも今は?今は、話すことさえままならない。


ずっと寂しくて、不安で、心が折れてしまいそうだった。


私って、愛されてるのかな?って……。








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