禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
「それはやっぱり、美沙ちゃんの事を気に入ったからでしょ?」


 私は即座にそう答えたのだけど、


「私も初めはそう思って大喜びしたんだけど、本当にそうなのかな。仮にそうだとしたら、私のどこを気に入ってくれたんだろう……」


「それは……」


 美沙ちゃんの更なる疑問に、私は口ごもってしまった。美沙ちゃんは私から見てもいい女だ。かなりの美人だし、真面目で大人しいし。そんな美沙ちゃんの長所を並べるのは簡単だけど、和也が本当にそれらに惹かれたのかというと、それはわからないと思った。


 というのは、和也の女の子の好みが、私には全くわからないから。和也が過去に付き合った女の子達には、全くと言っていいほど共通点がない。


 最初の彼女や美沙ちゃんのように、相手が年上の場合があるかと思えば、同い年や年下の子と付き合う事もあった。つまり、相手の年令に対する拘りはないらしい。


 また、タイプに共通点があるのかというと、こちらも色々で見事にバラバラ。美沙ちゃんのように大人しくて落ち着いた子もいれば、やたら明るくて落ち着きのない子や、男勝りな子、あるいは子どもっぽい子など、様々だった。


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