禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
「車の中は禁煙なの?」


「そんな事ねえけど、姉貴が嫌がると思うからさ……」


「私は大丈夫。気にしないわ」


 和也はオイルライターでタバコに火を点けようとして、その手を止めた。


「そう?」


「うん。こんな所で吸うなんてかっこ悪いから、行こう?」


「ん、わかった」


 車高の低い車の助手席に乗り込むと、レザーとタバコの臭いがした。あまりいい匂いとは言い難いけど、男っぽさを感じて体が疼く私って、ちょっと変態なのかも。


 和也は車のエンジンを駆け、窓を開けてからタバコに火を点けた。目を細めて外に向かってフーッと煙を吐き出す仕草は、まだぎこちなさはあるものの、結構さまになっている。


 おもむろに私もバッグからタバコを出し、ライターで火を点けたら、ゲホゲホっと和也がむせた。


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