一緒に、歩こう
「…俺?いるよ」
ほんと、何考えてんだろ。
こうなっちゃってからじゃ、
遅いのに。
「矢野くん、ごめん。忘れ物しちゃったみたい」
涙だって出ちゃうし。
顔にだって、出ちゃうし。
「先…、戻っててっ」
走って教室とは反対方向に
歩いて行く。
矢野くんに、彼女がいる。
明らかになった現実。
今まで聞かなかったのは、
聞くタイミングがなかった…
っていうのもあるけど。
ただ、ただ。
こうなることを
恐れていたからであって。
「ば…っか、じゃん」
ほんと悔やんでも、
悔やみきれない。
聞くんじゃなかった。
言うんじゃなかった。
あたしの…バカ。