一緒に、歩こう
午後の競技もいよいよ終盤。
最後に行われるのは、
隼人の出るリレー。
あたしは去年、
この場にいられなかった。
好きで、でも届かなくて。
あたしはこの場に来れなくて、
1人で泣いてた。
だけど、今は。
「あ、」
彼に1番近いこの場所で、
眺めていられる。
あたしだけの、特等席。
「隼人…」
呟くように名前を出す。
本部席とは逆の場所にいる隼人が、
あたしの方をじっと見つめている。
言葉を交わすことは出来ないが。
「頑張って」
あたしは精一杯心の奥で、
彼が無事にゴール出来るよう、
手を合わせて祈った。