一緒に、歩こう
その日の夜。
家に来た隼人は、
息を切らしていた。
訳を聞くと、
「会いたかったからに決まってんだろ」
と、鼻の頭を赤くしながら
答えてくれた。
「あたし、間違ってたよね」
ずっと一緒いるって、
約束したのに。
破っちゃったあたしは、
最低だと思ってた。
でも。
「最低?なわけねーだろ」
お前は正しいことしたんだよ。
って言って、頭を撫でてくれた。
「汚ねぇやり方してる、あいつが最低なんだ」
広い部屋の中、
あたし達はソファの上に
抱き合いながら座っている。
いつもなら笑っているのに、
今日は笑い声1つ出ない。