一緒に、歩こう
「矢野、くん…」
自分で来いと言っておいて。
来た彼を見て驚いている
自分がいる。
「何驚いてんの」
「いや…、別に、」
こほん、と誤魔化すように
咳払いをする。
矢野くんは、ドアを閉めると
何の悪びれもなく、あたしの
前にあるイスに腰を下ろした。
「で、呼び出して何の用?」
「何の用って…、寝てた罰です」
そう言うと、頬を膨らませる矢野くん。
「何だ。告白かと思った」
なーんて。
と笑う彼にやられた心臓。
「…こ、これを。運んでくれる?」
焦りながらも、何とか
声を絞り出す。
「こんだけでいいの?」
「大変な仕事よ?すごい重たいの」