幽霊の思い出話

「ったく、山南さんには参るぜ」

 思わず横を歩く新八に愚痴を言ってしまう。

「まぁまぁ、お前は短気すぎるんだよ。俺みたいに気をながーく持てよな」

 新八も十分短気な気はするけど。思わず心の中で突っ込んだ。

「でも、山南さんが愚痴りたくなる気持ちもわかるけどね。この巡察どうかと思うし」

 俺の後ろを歩いていた総司がぼそっと呟いた。

「・・・まぁ、確かにな。追い剥ぎ捕まえたりして治安守ってる反面、資金集めのために恐喝まがいのことしてるもんな」

「そりゃあ、歩くだけで嫌がられるわな」

 新八と二人でため息をつきながら、うんうんと頷いた。

「お前ら無駄口叩くなっ」

 先頭を歩いていた土方さんの怒鳴り声が聞こえて、3人とも首をすくめた。
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