そこにいて笑ってて
「『嫌い』って‥‥言ったのは‥‥
 自分の事だよ‥‥」
「自分?自分の事、嫌いっつったの?」
「うん‥‥
 って、あたし、変な人だよね!
 ごめん!気にしないで!
 じゃあそろそろ、授業戻るか!
 ばいばい、穂高くん!」


無理やりテンション上げてんの‥‥
バレバレだし。



でもあいつ‥‥逃げなかったな。
俺見ても。


お前は、ドアの所で立ち止まると、こっちの方へ振り向いた。


「穂高くんって‥‥好きな人、いる?」
「んぁ?‥‥いや、別に」
「そっか。
 いきなりごめんね!」


お前は、
ニコッと笑って、
ストレート茶髪をなびかせて、
ドアの向こうへ出て行った。
< 9 / 42 >

この作品をシェア

pagetop