[【殺人ゲーム】クリック!]


『準備は出来たのか?』

厳格そうに、艶やかな黒髪をオールバックにした父親が現れた。


恐ろしい程に冷たい瞳は、俺の滑稽な姿を貫いた。


『泉水ちゃん、行きましょうか。』

ニッコリと微笑む母親に、俺はコクリと頷いた。


もう一度鏡を見る。


まるで等身大の着せ替え人形のようだ。


母親は、俺で遊ぶ子どもに過ぎない。


『泉水ちゃん。』


母親に手を引かれて、俺はまるでお姫様のような、だだっ広い可愛らしい部屋を後にした。


母親の左薬指には、大きなダイヤモンドがきらびやかに光っていた。


それが何とも物悲しい。


< 170 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop