ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
薫さんは明るく言うと、どこからか藍色のスカートを持ってきた。
こんな物のあふれたごちゃごちゃした部屋から、どうして目的のものがすぐ出せるんだろう。
きっと薫さんなりの秩序があるんだろうな。無秩序にしか見えないけど。
「これさ、衣料メーカーとのコラボ企画でこないだデザインしたスカートなんだ。
オレははけないしさ、もらってよ。
サンプル品だからまだ売ってない、今ならレアだよ。
もうすぐ店頭に並ぶと思うけど」
にっこりと嬉しそうに掲げたそれは、深い藍色に染めたベースに、ナナメに美しい草花のシルエットが大胆にデザインされていた。
大人っぽいすっきりしたタイトなライン。
安っぽいプリントと違って味のある昔風の染め方に見える。
「どうしても抜染にしたくてそう言ったら、プリントと違って手間がかかってコスト増だって向こうの担当さんに嘆かれたよ。
でも何とか抜染にしてもらえた。渋いでしょ。
あ、抜染って、いったん全部染めて、模様の部分だけあとで色を抜くってことね。
なかなかいいでしょ」
こんな物のあふれたごちゃごちゃした部屋から、どうして目的のものがすぐ出せるんだろう。
きっと薫さんなりの秩序があるんだろうな。無秩序にしか見えないけど。
「これさ、衣料メーカーとのコラボ企画でこないだデザインしたスカートなんだ。
オレははけないしさ、もらってよ。
サンプル品だからまだ売ってない、今ならレアだよ。
もうすぐ店頭に並ぶと思うけど」
にっこりと嬉しそうに掲げたそれは、深い藍色に染めたベースに、ナナメに美しい草花のシルエットが大胆にデザインされていた。
大人っぽいすっきりしたタイトなライン。
安っぽいプリントと違って味のある昔風の染め方に見える。
「どうしても抜染にしたくてそう言ったら、プリントと違って手間がかかってコスト増だって向こうの担当さんに嘆かれたよ。
でも何とか抜染にしてもらえた。渋いでしょ。
あ、抜染って、いったん全部染めて、模様の部分だけあとで色を抜くってことね。
なかなかいいでしょ」