ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……
「あーでも、柚希だからその丈で似合うのかもよ。

足の見え具合がいい感じだよ。

柚希はスラっとしてていいなぁ。

あたしが着たら足首まで来ちゃうかも、チビだから」


そう言って麻友は笑った。




スカート姿のあたしが窓や鏡に映るたびに。

あたしは薫さんに言われたとおりに心の中で繰り返した。


(女の子でいて、いいんだよ)

(女の子のままでいて、いいんだよ)


最初こそ違和感があったけど。

鏡に映るスカートをはいたあたしは、その辺の女の子と変わらない、普通の女の子に見えた。


(いいかも、これ)


確かに、このスカートは、あたしにちょっと似合ってた。


===================

< 143 / 278 >

この作品をシェア

pagetop