狭き門
この現象に目をつけたのが他の鉄道会社である。

自分たちの駅にも狭き門を設けるべきだという意見が社内で挙がるようになった。

二番煎じだの、流行り廃りの真似ごとだの、
悠長なことは言っていられない。

この不況のなか、
少しでも利益につながるとの算段が付けば何でもやるのである。
改札を従来よりも広くつくり、
その中のひとつだけを狭くする。

そんな改装工事があちこちで進められた。
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