キミと一緒に。【完】
「由斗…抱いて…」



「花音…」



「忘れさせて……っ」



外でこんなお願いをするなんて。

何があったかを知らない人が聞いたら、ただの変態でしかない。

腕を引かれ、数ヵ月ぶりの鹿波家へ。

去年、私たちが初めて繋がった場所。

あの頃は、何も考えずに交わせた情事。

でも今は、怖さもあるけど、恥ずかしさもあって。

電気が消えてても、カーテンの隙間から射し込む太陽が、全てを見せてしまう。
< 264 / 430 >

この作品をシェア

pagetop