秋から冬への物語

「まき…槙秋平!いないのか?」


自分の名前が呼ばれている事に気付き、ハッと我に返った。


「あ、はい」

「はい、じゃねえよ。自己紹介!お前の番だぞ」


教壇の前に立っている担任がカツカツ、と出席簿を叩いて俺を見た。

教室中の視線が俺に集中しているのがわかる。


じ、自己紹介?


「えーと…四中出身の」

「こら、立たんか!」


あ、やべ。
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