姫さまvs王子さま
その後アタシは
教室に行く気にも
家に帰る気にもなれず
屋上で昼寝して時間を潰した。



今日という日は
なんと最悪な1日なのだろうか。



変態雪城には無駄に絡まれるし
不良野郎のせいで捻挫するし
そのおかげで体育も出来ない。


それに何より
雪城に言われた言葉に
無性に腹が立つ。


“男相手に無謀”
そんな事わかってる。

“自分が女って自覚”
無力な事くらい百も承知。


それでも
目の前で女が襲われてたら
放っておけない。




――まるで自分を見ているみたいだから――





たとえ無力でも
見て見ぬフリなんて
出来る訳ない。


誰か1人でも手を差し伸べてくれるなら
何か少しでも助かるかもしれない。

安心出来るかもしれない。


目の前で誰も
自分みたいになってほしくない。



妃「だからアタシは、たとえ自分を犠牲にしても見捨てたくないんだ」



まるで雪城に答えるかのように
雲1つない晴天の空に向かって気持ちをぶつけた。





< 31 / 41 >

この作品をシェア

pagetop