雨のち曇り



「ん!?」



「あげる」



「あ、ありがとう」



「じゃあ後ろに乗って」



「…うん」



私は自転車の後ろに乗って幸樹の腰に腕をまわした。



背中に顔をつけると、幸樹の心臓の音が聞こえる。



すごい落ち着く。



この背中に腕をまわせるのは、今は私だけのもの。


誰にも渡したくない。


私は幸樹の腰をぎゅって抱き締めた。





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