まだ好きです(完)

瀬羅

”医者がいってる事なんて、信じるもんか!私は信じない!信じれば、必ず叶うんだよ。1%の確率でも、信じる、私、信じるから!”


何度、思い返しただろうか?


あの言葉を。俺は何回リピートすれば気が済むんだろうか?


”私、信じるから”



雛。その名前を聞くと、なぜかとても懐かしい気持ちになる。


じーんと胸の奥が熱くなる感じ。


「おーい。駿?何考えてんのー?」

「瀬羅。」


学校の屋上は気持ちよかった。風が優しく通り抜けていって、誰とも会わない。


時々先生の怒鳴り声や、女子の笑い声が「青春」という言葉を醸し出している。


瀬羅は命の恩人だ。海に溺れていた俺を救ってくれた。


瀬羅は両親が最近離婚して、お母さんは家を出て行った。残された、父と瀬羅だったが、父は突如行方が分からなくなったらしい。


っつー訳で、俺と一緒にこの学校に転校してくることになった。


学校でも、居心地が悪かったから。


でも、この学校に転校してきてから、瀬羅は俺についてくるようになった。



「どーした?瀬羅。」


「雛ちゃん…って子、どう思う?」







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