まだ好きです(完)
「駿ー。大丈夫か?」


「うぃっす」



100mのスタートラインにたって駿はコーチに大きく手を振った。


いつもの、変わらない笑顔。



痛みなんかないっていってるくらいの



屈託のない笑顔。



胸の奥、きゅーんって締め付けられる。



「駿。大丈夫か」

「新。大丈夫だって。なんとかなるだろう」





「なんとかって…」


新が心配してんのは、俺でさえもすぐ分かった。


でも、何とかなる。大丈夫。心配すんなよ。


「絶対、1位とってやる。みんなのために、」


そして、雛のために、



雛は俺が陸上部に転部してきたときから、応援してくれてる。




俺と雛が別れた後も練習を見に来てくれた。




雨の日も




風の日も




テスト期間中も




暑いときも





寒いときも




風邪気味の時も













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