ナンパ男との恋 社会人編
裏口の鍵を開け
静まり返った病院内に入ると
思わず ため息がこぼれた。


大丈夫かな、私・・・


たった2泊3日・・・

だけど、長い・・長いよ。

帰ってから・・・

輝樹がいない時
自分が どう過ごしてたのかすら思いだせない。



「はよっス」

気配もなく 背後からの声に
体が飛び上がった。

この人は・・・たしか
女の子みたいに可愛い顔してるけど
口数少ない・・・

「さ、去川さん!?」


「はい?小田さん
具合でも悪いんですか?」


全然 気配感じなかった・・

っていうか・・

・・小田さんって誰?


「小田さんって・・?」

「え?小田さん・・
あれ・・小田って名前じゃなかったですけ?」


「いえ、佐々木ですけど・・」

「佐々木さん・・・
具合でも悪いんですか?」


えぇ・・・?

名前 普通に間違えて
スルーって・・・

何なんだ、この人・・・。


呆気にとられてる私を


「大丈夫ですか?」

し、心配してる・・・

「あ、いえ・・すいません。
大丈夫です。」

「ならいいですけど・・・
準備しないと もうすぐ
8時ですよ?」

いっけない!
呆気にとられてる場合じゃない。
急いで 仕事しなくちゃ。

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