ナンパ男との恋 社会人編

けれど、

「て・・輝樹の言ってる事
そういう事なんだよ?」

立ち上がり 
輝樹の方に近づき
少し震えた声で
精一杯振り絞った。


「何かあると サキさんサキさんばっかり・・・
私って 輝樹の何?ねぇ?
一緒に暮らしてても、
一緒にいても・・・
そんなんじゃ 何信じていいのか分かんないよ・・・・」


「ったく、ようやく
口割ったな。」


ため息混じりに そう言いながら
私の頭の上に手を置くと


「前も 同じ事言ったよな?
ちゃんと言いたい事言えって。
こうやって逃げて、隠れて
ようやく口開いて
で、また 同じ事繰り返して・・・
何回も言うように
俺には 超能力とかねぇから
春菜の考えてる事、思ってる事
全然分かんねぇんだ。な?」


「サキさんの事は
前も言ったよ・・・
だけど・・・」


「また元に戻ったって?」

頷くと、


「前・・・サキの家に行って
俺が はっきり突き放したとき
春菜もいたよな?」


「うん・・・・」


「あれからな、あいつ
自殺未遂したんだってよ」


「え・・・・?」


突然の言葉に
顔を上げた。


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