ナンパ男との恋 社会人編
車に乗ると
少し冷静さを取り戻した輝樹が

「・・・あいつの言う通りだな。
春菜ばっか追い込んで
マジでかっこ悪ぃわ・・・」


「そんな事ないよ・・・」


「いや、あいつに
図星指されて焦ったし・・
だよな・・・一番しんどくなるのは
春菜なんだよな・・
なぁ・・・
俺 春菜と一緒にいない方がいいのか?」


思いつめたような表情で
私の方に顔を向けた。


「・・・・・・」


何て返すべきなのか分からない。

一緒にいたい、離れたくない。


でもサキさんの不安は消えない。
・・・そしてその不安を解消する方法もない。


そのまま そっと抱きしめられ


「春菜とだけは
別れるとか・・・
そんなの絶対 したくねぇ。
・・・でも、
もし・・・・
春菜が 俺と別れたいって・・
・・・・・・・
あー、やっぱ無理だわ。
ぜってぇ 別れてやらねぇわ」



「輝樹 言葉めちゃくちゃ・・」


思わず 笑いがこぼれた。


「お前が望むなら・・・って思ったけど
やっぱ無理。
離してやる事ができねぇわ」

そんな言葉聞いたら
さっき・・・考えてた事が
どうでもよく思えた。


「大丈夫、離れないから。
私が望むのは 一緒にいたいって事だけだから・・」


そんな言葉が自然と出てきた。
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