狼先輩。


「……やっぱダメだ」


「え?」



大神先輩の声が聞こえたのは私の真後ろからで。


ビクリと体が跳ねた。



「ことりちゃんが近くにいると思うとなんか……」


「……?」


「ごめん、抱きしめていい?」


「ぇ……」


「嫌って言っても抱きしめるけど」



そう言うと、先輩は寝たままの形で背後から私を抱きしめた。

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