狼先輩。
西村くんの瞳が真剣に、まっすぐに。
私を見つめる。
その瞳に、思わずドキリとしてしまった。
「最初、渡辺さんがサッカー部にマネージャーとして入ってきたとき、嫌だった」
「え…?」
「渡辺さん、嫌々って感じだったし。どんな事情でサッカー部マネージャーになったのかは知らないけど、とにかくそんな嫌々って感じの人にはやって欲しくなかった」
「う……」
確かに、最初は嫌々だったかも……。
でも、まさかそんなに嫌々って感じを醸し出していたなんて。