狼先輩。


いつからだろう。


千沙先輩の声を聞くだけで、なんだか怖いと思うようになってしまった。


怖いというか……。


あぁ、またこの辛い時間が始まるんだなって思い知らされる。




はぁ……と、私が軽くため息を吐いたのとほぼ同時に、大神先輩もグラウンドに姿を現した。




「あっ!皐月っ!」



手を振りながら目をハートにして大神先輩に近付く千沙先輩。


……大神先輩の彼女みたいだな。



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