狼先輩。
先輩は抗議する私を見て、ニコリと爽やかな笑顔を浮かべた。
「その、サッカー部キャプテンが任命してるんだから問題ないよ」
「……へ?」
ニコニコォ~っと笑いながら、先輩は私の顔を覗き込む。
『その、サッカー部キャプテンが任命してるんだから問題ないよ』?
ってことは、つまり……。
「せ、先輩が…、キャプテン……?」
「そ。だから決まりだね。これからよろしくね、“ことり”ちゃん」
やけに先輩は、私の名前を強調する。