狼先輩。
私達の繋がれた手を見た千沙先輩が、顔をしかめたのがわかった。
やっぱり怖い……けど、大神先輩がいるから大丈夫。
「これで全員?」
「……うん」
大神先輩に素っ気なく返事をする千沙先輩。
……あれ、いつもの高いトーンじゃない。
なんとなく、大神先輩と千沙先輩……気まずそう?
と、思いながら2人を見ていると、大神先輩が口を開いた。
「今日、ファンクラブの子達を集めたのは、俺からお願いがあるからだ」
……お願い?
お願いって何だろう?
大神先輩の次の言葉を待つ。