狼先輩。
ほら!!先輩のせいでみんなが変な誤解しちゃってるじゃないですか!!
そ、それにっ!私も恥ずかしい……っ!!
「せ、先輩……、そんなデタラメ、言ったらダメですよ……」
赤くなった顔がなるべく見えないように、目だけを先輩に向ける。
……と、ニッコリと先輩は爽やかに笑う。
「そんな顔真っ赤にしちゃって、可愛すぎだよ?ことりちゃん、そんなんじゃ、コイツらに食われちゃうよ?」
狼……じゃなくて、大神先輩は他のサッカー部員達を指差す。
「……そんな簡単に私は食べられませんよ」
口唇を尖らせて言った私に、先輩は何故か少し頬を赤らめた。
そして、ぽんっと私の頭の上に手を置いたものだから、私は少しビクッと体を揺らしてしまった。