狼先輩。

……せめて、渡辺さんとは友達でいたい。



ふっと笑みを零す。


「……そんなにことりが好きなんだ?」


「……」



そう言いながら、俺を見る古川の瞳に、なぜか悲しみが宿っていた。



……古川って、いつもうるさいのに。


こう……静かだとなんか調子狂うな……。




「俺、そろそろ部活行ってくるわ」


部活の用意を持って、部活に行こうとすると。




「待って!」


ガシッと、古川に手首を掴まれた。


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