狼先輩。
「さ、ことりちゃん」
大神先輩は、私の方へ向き直ると、
「俺、のど渇いた。早く何か飲みたいな」
ニコニコと……それはそれは爽やかすぎる笑顔を見せた。
な、何ですかその笑顔はっ!
私が黙っていると、先輩の方から飲み物を持ってきた。
「ほら」
「……」
先輩が私にペットボトルを渡そうとしているけど、受け取らない。
だって……受け取ったら……。
で、でも……、もし本当に私が先輩に……。
想像して、顔が急にボワッと熱くなる。