狼先輩。


頭をぶんぶんと左右に振る。



すると、大神先輩は妖しげに笑った。




「あ、でもことりちゃんの口へのキスは時間の問題……かな?」



ツーッと大神先輩は、私の唇を親指でなぞる。


……っ!!!



ゾクリと身体が震えた。


せ、先輩の指が……私の唇に……っ!?



少しの間だけフリーズしていると、先輩が顔を近付けてくるのに気付いた。



「ちょっ……何をしようとしてるんですかっ!?」





ドンッと先輩の胸を押して、距離をとる。


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