狼先輩。
始業を知らせるチャイムが鳴る。
その音にハッとして、先輩のユニフォームを握っていた手を緩め、先輩の胸に埋めていた顔を離した。
わ、私っ……すごく大胆なことをっ……!?
わわわっ!恥ずかしいっ!
「どうした?」
急に離れた私に、先輩が問い掛ける。
……まぁ、先輩の腕は私の腰に回ってるから、離れたって言っても、ものすごーくちょっとなんだけど。
「いえ、あの……授業、始まっちゃいましたね」
「そうだね」
「いつまで、ここに閉じ込められたままなんでしょうかね……」
「んー、でも俺は、ことりちゃんと2人きりでいられるし、いっそのことずっと閉じ込められててもいいかな」