狼先輩。
「……とかなんとか、初めて会ったとき、そういう話しなかった?」
『“狼”に捕われちゃった“ことり”ちゃん』
ふと、そう先輩が言っていたのを思い出す。
確かに言ってた……。
「……たぶん」
「俺から逃げたことりちゃんには、“お仕置き”が必要かな…」
「お、仕置き……?」
え、お仕置きって何。
何、する気なの?
先輩が私の瞳を覗き込む。
そして、そのまま力強く私を抱きしめた。
「今夜……」
耳元で囁かれて、ゾクリと身体が跳ねた。