魔法のチーズ・ケーキ
型ってぇのはこうして・・・と、
親方は裏からごそごそと

ふんわりやわらかな
リンネルの布を出した。


「この布を型と型の間に挟んでいけ」


銀色の型はの塊は
あっというまに清潔な布に包まれ

風とおりのよい清潔な棚の奥に
そっとしまわれた。




「仕事てぇのは
他人の仕事に敬意をはらって
はじめてできるってぇもんだ」


ぶつぶつ、ぶつぶつ言いながら
親方は自分の持ち場に入る。


ほっと胸をなでおろす
ハックにブーニー、
職人たち。


でも、毎朝
こんな調子でも

彼らはみんな
父親のように
叱ってくれる
親方のことが
大好きだったのさ。
< 16 / 68 >

この作品をシェア

pagetop