夏と秋の間で・甲
「ありがとう。その言葉、ウソでも嬉しいよ。」



 後姿にいたため見えなかったが、大場さんが笑顔になったのが分かった。



 ・・・・・・・・・・ウソか・・・・。



 その大場さんのその言葉は確かにショックだったが、望巳には先ほど遠くで見えた影が気になった。



 知っている影。



 自分を探しに来たであろう影。



 そして、一瞬で帰ったコトを考えると、おそらくこの光景を見られた。



 こんな状況で言い訳なんてできるはずもない・・・・・・。






 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すまない・・・・・・・・・・・サンマ・・・・・・・・・・・。




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