ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
しかし、無残な身体。


命が助かったとは言え、傷だらけ。


こんな身体でいいんだろうか?



「おい!十和子…適当に俺のパジャマの上着置いとくぞ」


シャワーの音にかき消されるコトなく、彼の低い声は私の鼓膜に届いた。



「ありがとう」


曇りガラスの向こうに見える風宮さんのシルエットにビクッと身体が震えた。


鼓動も心拍数を跳ね上げる。


早く、捨てたい想いはあるけど。これでいいんだろうか?
今まで…大切に持っていた宝石を手離すみたいで、急に嫌になって来た。


< 28 / 155 >

この作品をシェア

pagetop