ギルディラヴ～社長と誓う偽りの愛～

都心のビル群たちを背に仕事をする白波社長。
男性にしては細く長い指で、パソコンのキーを叩きながら、


「エスプレッソを頼むよ。仁科さん」と
社長は私にお願いをする。


「承知しました。社長」


私は社長室の奥にある給湯室で直ぐ様、エスプレッソマシーンで社長のダイスキなエスプレッソを淹れる。

ガガガッ…と空気を切るようなマシーンの音。


同時に香ばしい高級感のあるコーヒー豆の匂いが辺りに漂う。
私も一度、内緒で、飲んでみたけど、社長が病みつきになる理由がわかった。


やっぱり、本場イタリアから取り寄せているだけあるよ～


あらかじめセットしたカップに抽出されていくエスプレッソ。
私はジッときめ細やかなクレマ（泡）を見つめる。