ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「社長…どーぞ」


社長お気に入りの磁器のコーヒーカップに淹れたエスプレッソ。


デスクの空いたスペースにそっと置いた。



「ありがとう~仁科さん…」


「いえ、私のお仕事ですから」


「ところで君は…お付き合いしてる男性はいるのかな?」


「えっ?」


唐突にされた質問は私のプライベートなコト。秘書になって、初めてだった。


社長に仕事以外の質問をされるなんて。

どう言う風の吹き回しだろう?


もしかして、社長…私に興味を持ったとか。



「今はいません」

29年間いないとはさすがに言えなかった。




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