しーくれっとらぶ
「ん?なんで膨れとんの(笑)?」


龍はハンドルに両腕を乗せ、そこに顔を乗せてあたしの方を見た。


『なんかヤダっ』

「なにが嫌なん?」


未だに余裕の表情を見せる龍をあたしは軽く睨んだ。


『…あたしばっかりドキドキしてるんだもん…』


あたしがモゴモゴとそう言うと、龍はまたフッと笑ってあたしの手を握った。


「俺やってめっちゃドキドキしてんで?」

『本当に…?』

「ホンマやって」


龍はそう言うとまたあたしを抱き締めた。


「たぶん、俺のがめっちゃドキドキしてるって思うわ」

『そうなの?』


あたしは龍の腕の中から、龍を見上げた。


「///━…ほらその顔…っ」


赤くなった龍が、顔を見せないように、あたしをギュッと抱きしめる。


『え?龍?』


あたしが龍を見ようとしても、抱き締められている力が強くて身動きが取れない。


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