しーくれっとらぶ
【唯、話さんでええから。せやから泣きやんでや……。】


龍の不安そうな声が電話の中で響く。


『ごめん…、ごめんね龍……。』

【ええから。
…―あんな、実は明日オフになってん。
遊び来ぉへんかな思って。】


龍は言いにくそうにそう言った。


『行くっ…。絶対行くっ…。』


あたしは涙を拭いて笑顔で答えた。
龍からあたしの表情が見えるわけではないのにね。


そして少し話してからあたしたちの電話は終わった。


< 548 / 854 >

この作品をシェア

pagetop