しーくれっとらぶ
ガチャ―…
その時屋上のドアが開いた。
そこに立っていたのは彰だった。
『し、彰…!?』
「なーにサボってんの唯ちゃん。」
驚くあたしをよそに彰はふざけたように笑ってあたしの隣に座る。
「唯が授業サボんの珍しいなぁ。」
『そう…かな…?』
どぎまぎ答えるあたしを彰がジッと見つめてきた。
「さっきの新しい彼氏?」
『ち、違うよっ。』
「ふーん。」
彰はそう言うと顔を上げて空を見上げた。
「あんま無理すんなよ?」
『え…?』
「なんかあったら言えよな?」
『…っ…。』
彰が真剣な目でそい言ってあたしの頭にポンポンと手を置いた。
そんな彰の優しさに触れてあたしの胸にグッと何かが込み上げてきた。
あたしは溢れてきそうな涙をグッとこらえた。