しーくれっとらぶ
『あのさ、それで陸にお願いがあるんだけど』


陸は"何?"と言ってまだ納得いかないような表情であたしの顔を見ている。


あたしは机に置いてある指輪とネックレスを指差した。


『あれ…処分してほしいの…』

「はぁ!?捨てんの?」

『もう持ってちゃ駄目だからさ…』

「だからって捨てなくてもよくね?」


陸はネックレスたちを捨てることにかなり反対した。


別れたら元彼との思い出は全て捨ててしまうのか…、それともどこかに取っておくのか…。
普通はこういう時どうするのかあたしにはわからないんだ……。
龍はあたしが初めて付き合った人だから。
初めて好きになった人なんだもん…。


『もう持ってるの辛いし…だからって自分では捨てれないからさ……。だからお願い…っ!』


あたしは机にあったネックレスと指輪を陸に無理矢理渡した。


「でも、唯…―」


陸はかなり困った様子であたしとそれらを交互に見た。


『お願い…陸』


あたしは陸の目を真直ぐに見つめた。











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