しーくれっとらぶ
家に着くとまずあたしは、バスルームに向かった。



体に染み付いた男たちの臭いを早く落としたかったから。





『…!!』



服を脱いだあたしはその時初めて自分の姿を見た。



顔や体の所々にある擦り傷や、殴られた痕―…。
目は腫れていて、口は切れて血が固まっている…。
お腹にはあの時に殴られた痛々しい痣がはっきりと残っていた…。



『…っうぅ…ひっく…』


現実なんだ……

さっきまでの出来事は悪い夢なんかじゃなくて…本当のことなんだ……っ



この傷跡で今までのことが現実だと嫌でも実感させられて、また涙が出てきた。



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