シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
なんとか千影くんの家の近くまで来たときには、
二人とも……いや、
あたしだけが汗だくだった。
千影くんは涼しそうな顔をしてる。
「はぁ……いったい、何だったの」
「ほんとにね。
昼間からあんなところで誘拐なんておかしいよね」
「っていうか、千影くんもだよ……」
喧嘩が強いのは、見た目のイメージと違うけどまあよしとしよう。
けど、最後のアレはいただけない。
「あれ、千影くんがやったんだね?」
「何のこと?」
「あのねえ、目の前で見せといてごまかせるわけないでしょ!
千影くん、あの人の血を、水と同じように……」
「あー、お腹空いたな。
ねえひなたちゃん、コンビニ寄ってこーよ。
夕ご飯、まだでしょ」
千影くんは、わざとらしく話題をそらした。
それは、外でそんな話をするなという、無言の圧力。